賃貸経営は、人生をかけるに値する大事業です。
だからこそ、失敗は許されないという覚悟が必要です。
そして何より避けるべきなのは、「人任せにすること」。
賃貸経営を人任せにするというのは、あなたの人生を他人に預けるのと同じことです。
「信頼して任せたんだから、失敗したら相手が責任を取ってくれるだろう」―
そう考えたくなる気持ちもわかります。
でも、現実はそう甘くありません。責任はすべてあなたが負うことになるのです。
それにもかかわらず、賃貸経営を人任せにしてしまう人は本当に多い。
体感的には、10人中9人がそうしていると言っても過言ではありません。
その根拠のひとつが、世の中に建っている賃貸マンションの多くが、大手ハウスメーカーによって建てられているという事実です。
なぜ、こんなにも多くの人が、自分の人生に関わるような一大事業を、簡単に他人に任せてしまうのでしょうか?
私はその理由を考え続け、2つの大きな要因にたどり着きました。
ひとつは、土地が自分の手で得たものではないということ。
多くの場合、土地は先代や先々代の代から受け継がれたものであり、
その血と汗の結晶を「ただの持ち物」として扱ってしまいがちです。
もうひとつは、「自分は素人だから」という思い込み。
初めての賃貸経営に不安を感じ、どうせ素人が勉強したところで…と、最初からあきらめてしまうのです。
言い換えれば、これは「甘え」なのです。
その甘えが、あなたの土地を「守るべき資産」ではなく、
「失敗によって失われてしまうもの」に変えてしまいます。
私は、この40年間、そうした悲劇を幾度となく目にしてきました。
その一方で、正しい知識と戦略を学び、賃貸経営に成功した方々も数多く見てきました。
これから賃貸マンションを建てる方々に、私は心からお伝えしたい。
人任せではなく、自ら学び、選び、動くことが成功の鍵だと。
そのために今、これまでの経験を凝縮し、
賃貸経営成功の「12の鍵」として整理しました。
次から順にお話ししていきます。
ぜひ、あなたの未来のために、お付き合いください。
マンション経営成功1の鍵:シェアをとる必要なし
あなたの街を見渡してみてください。
数えきれないほどの賃貸マンションが建ち並んでいるはずです。
そこで、ふと考えてみてください。
あなたは、その中で何%のシェアを取ろうとしているのでしょう?
…え?
そんなこと、考えたこともなかった?
それで、正解です。
シェア争いが必要なのは、大量供給が前提の大手ハウスメーカーです。
でも、あなたが建てるのは、せいぜい1棟、多くても2〜3棟のはず。
ならば、シェアを取る必要なんてないのです。
むしろ、それは大きな強みになります。
なぜなら、少数だからこそ、「尖った存在」でいられるからです。
「100人が『多分買う』と答えるデザインより、『絶対に買う!』が1人でもいる方を選ぶんだ」
これは、あの「たまごっち」を生み出した横井昭裕さんの名言です。
発売直前、試作品を手に原宿でアンケートした水垣さん(当時20歳)にそう言い聞かせたのです。
そして、水垣さんの直感「腕時計型より、キーホルダー型が女子高生にウケる」という直感をすぐに採用したエピソードは有名です。
結果はご存じのとおり、爆発的ヒット。
この話、賃貸マンションにもまったく同じことが言えます。
「万人受け」を狙えば、待っているのは価格競争の泥沼。
だからこそ、「たまらなく刺さる」1人を狙うべきなのです。
以下、実際のこだわりをご覧ください。
外観のこだわり




見た人が「え、べつに…」と感じたら?
それで大丈夫。
100人に1人でも「たまらん!刺さる!」と心をわしづかみにされる人がいれば、それでいいのです。では、内部をご覧ください。
内部のこだわり




どうでしょう。強いこだわりを感じさせるでしょ?
しかも、これらのパーツ、実はどれも高価なものは使っていません。
でも、「気持ち」が入っています。
「アメリだったらどんな部屋に住みたい?」
「どんな色で塗るだろう?」
そんな想像を巡らせながら、心を込めてデザインしました。
ハウスメーカーの規格大量生産では、絶対にできないことです。
これが、「シェアをとらずに、たった一人の『熱狂的なファン』に刺さるマンションを作る」という戦略です。
実際に、この賃貸マンション経営は常に良い成績と、オーナーさんから喜びの声をいただいています。
ここにしかない!マンションは、価格競争から抜け出し、唯一の価値ある物件として入居者に選ばれます。
次の鍵では、「入居者の潜在ニーズを先取りして、強みを授ける方法」についてお話しします。


