ハウスメーカーは真似できない。入居待ちが出来る価値ある防音マンションとは。

目次

ハウスメーカーには真似できない、ハイレベルな防音

「ハウスメーカーの家は地震に強い」と言われるようになったのは、1995年の阪神淡路大震災で、多くのハウスメーカーの住宅が倒れなかったことがきっかけです。
大地震でも倒れなかった理由は、建物が軽量で、特に屋根が軽かったからです。
理由がどうであれ、地震に強いことは絶対に必要で、私は 他の何を我慢してでも耐震は確保すべき だと考えています。

ところが—防音となると話が大きく変わります。
実はハウスメーカーの家は、防音においてとても不利なのです。

理由はシンプルで、
防音には 《質量則》 があるからです。

《質量則》とは、
「重くて分厚い壁に囲まれた部屋ほど、音が周囲に漏れにくい」
という建築の基本原理です。

なんとなく想像できますよね?
木の壁よりコンクリートの壁のほうが音が止まりそう、という感覚。そのとおりです。(厳密には“遮音”)

なぜハウスメーカーの家は軽量のままなのか?

工場でパネルを作るにしても、現場で組み立てるにしても、軽いほうが圧倒的に作業しやすいから です。

ハウスメーカーの強みは、

  • 生産性が高い
  • 品質が安定する
  • 工期を短縮できる
  • 専門職への依存を減らせる
  • 結果としてコストを抑えられる

こうした“軽量化ありき”の合理設計にあります。
元々は郊外の戸建て中心のモデルだったため、これは大きなメリットでした。

しかし近年、「ハウスメーカー製のマンション」 が出てきたことで問題が表面化しました。

技術者も研究者も優秀なのは分かるのですが、軽量構造の限界だけはどうしても突破できない のです。

その限界を数値で見ると、こうなります。

ハウスメーカーのマンションの防音性能は約30dB

これはどういう生活環境かというと、

  • お隣のトイレの水音 → 聞こえない
  • 掃除機の音 → 聞こえる
  • 赤ちゃんの泣き声 → かなり聞こえる

つまり、普通の生活をするだけで隣に気を遣うレベル です。

ちなみにこの防音性能は、建築基準法の要求値以下ですが、建築基準法違反にはなりません。

なぜなら建築基準法が規定するのは「壁そのものの実験値」だから。

工場での実験で40dBの性能が出る材料を使えば合格になりますが、現実の建物では壁以外から音が回り込み、結果的に30dBに下がります。

この “10dB” の差 は、とんでもなく大きいです。

10dBの差は想像以上。アプリで体験できます

App Storeから2つのアプリ(無料)をダウンロードします。ひとつは《エージング》:音響測定用のザーッという騒音。もうひとつは《騒音測定器》です。

右の画像では、iPadに《エージング》をダウンロードして、スピーカーで鳴らしています。それをスマホにダウンロードした《騒音測定器》で測っているところです。

たとえば70dBは「イライラして我慢できない」レベルですが、
60dBになると「まあ仕方ないか」というレベルに落ち着きます。

10dBの差がいかに大きいか、すぐ体感できます。

ハウスメーカー製のマンションは、普通の生活が“迷惑”になるレベル

掃除機や赤ちゃんの泣き声。
この普通の生活音が隣の部屋に届く世界では、気を遣って生活するしかありません。

一方で、私が設計した Musik北参道 の場合は、

  • ホームシアター
  • カラオケ
  • 多くの楽器(ドラム除く)
  • 赤ちゃんの泣き声

これらが問題なく暮らせるレベルの防音を実現しています。

もともとは音楽家向けに設計した建物でしたが、実際は半数以上が音楽家ではありません。
それでも選ばれる理由はただ一つ。

「静かに暮らせる」という、誰にとっても大きな価値があるからです。

YouTuber・ポッドキャスターからも「ノイズが入らない」と好評をいただいています。

本物の防音マンションが少ない理由

《のびのび暮らす》《安らぎの生活》
この両方を成立させるには、総合的な防音ノウハウ が不可欠です。

ところが現実には、「部分的な知識」しか持っていない専門家が多く、総合的な防音設計ができる建築士は本当に少ないのです。

だから、本当に防音されているマンションがほとんど存在しない。
気になるなら、一度ご自身で検索してみてください。
AIの回答も、最後は“表面的”な理解にとどまるのが分かるはずです。

ハウスメーカーの鉄骨
弊社設計:Musik北参道の鉄骨
ハウスメーカーの基礎
弊社設計:Tree-Tree京都の基礎

ハウスメーカーに真似できない核心:重さと構造

超防音構造を実現するには、

  • 質量則
  • 浮床構造
  • マトリョーシカ構造(多重遮音)

これらを組み合わせる必要があります。

その結果、建物の総重量は
ハウスメーカーのマンションの約3倍 になります。

重くなると地震に不利になりますが、
鉄骨と基礎をしっかり設計すれば、耐震性は確保できます。

ただしこの方法では、

  • 軽量化
  • 大量生産
  • 誰でも組み立て可能
  • 工期短縮
  • コストダウン

というハウスメーカーの強みは一切使えません。

ここが 真似できない理由 です。

最後に大切なことをひとつ

「そんなに手間をかけたら、建築費が高くなるんでしょう?」
とよく聞かれます。

答えは─

ハウスメーカーのマンションと大きく変わりません。

彼らはコストダウンしても、ユーザーに安く提供はしません。
私は、構造・防音・安心のすべてを両立させて、“のびのび暮らせる静かな住まい” を適正価格で設計します。

マンションオーナーにとって、「音」で悩まない物件は長期的に必ず価値になります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次